【沖縄基地問題】公約比較-15の争点- 2017衆議院議員総選挙

2017年10月18日 文責:Mielka

衆議院総選挙公約比較-15の争点-シリーズ
今回は【沖縄基地問題】です!

沖縄基地問題の概要と背景

 沖縄米軍基地問題について、近年ではオスプレイ配備や米兵による不法行為のほか、米軍再編に伴う米軍基地移転問題を指すことが多くなっています。その中でも普天間基地の辺野古への移設は、特に注目されている問題です。

 この背景として、現在沖縄は日本全土の0.6%にすぎないながら、在日米軍基地の約74%が集中していることがあります。この基地負担を軽減するために、1996年日米間で「普天間基地の移設条件付返還」が合意されました。現政府は普天間基地の辺野古移設を進める方針を固めていますが、2014年に辺野古移設に反対する翁長雄志氏が県知事に当選するなど、20年以上経った今でも議論は収束していません。これに合わせ、米軍基地自体の撤廃を求める声も活発になっています。

各党の政策

米軍基地存置と辺野古への移設に対する姿勢をそれぞれに分けて見ていきましょう。

米軍基地存置について

▼米軍基地存置に賛成・日米地協定の見直しが必要(自民党、日本維新の会、希望の党、幸福実現党)

 自民党と日本維新の会、希望の党、幸福実現党は米軍基地存置に賛成しています。それに付随する問題への対応策として、自民党と日本維新の会、希望の党は日米基地協定の見直しが必要であるとの姿勢を見せています。幸福実現党は具体的な対応策を提示してはいません。

 まず、米軍基地を維持するメリットとしては主に他国からの脅威への抑止力と、防衛費の増大抑止があります。現在日本では、尖閣諸島をめぐる中国との関係や北朝鮮との関係が緊張状態にあります。このため、強大な軍事力を有する米国との同盟関係を継続し、その抑止力を機能させることで、安全を確保することができます。また、緊張状態が続く中で防衛費を比較的低く抑えられていると言われてています。歳出のうち防衛費をできるだけ低く抑え、経済の発展と国民生活を大幅に向上させることに大きく寄与してきたともされます。

 しかし日米同盟に伴う日米基地協定は不平等であるとの主張もあります。特に、日本国にありながら駐在公館並みの治外法権・特権が保障されており、沖縄でも改定を求める声が上がっています。日米地位協定は1960年以来、運用改善のみで一切の改定が成されておらず、基地負担軽減などのため、あるべき姿へ改定をするとしています。

 

▼米軍基地存置に反対(日本共産党、社民党)

 対して、日本共産党と社民党は米軍基地存置に対して否定的な姿勢を見せています。特に日本共産党は、米軍基地の建設は民意を踏みにじる行為だとし、基地のない平和で豊かな沖縄をつくるとしています。米軍基地をめぐる議論では度々、米軍人による事件や、ヘリコプター墜落などの危険性が取り上げられきました。事実、2004年には米軍のヘリコプターが沖縄国際大学に墜落するという事故が起き、最近では2016年に米軍人による強姦殺人事件が起きています。このような事故・事件からか、2014年には米軍基地建設に反対する翁長雄志氏が沖縄県知事に当選しています。これを受け、日本共産党は沖縄の世論は米軍基地に反対しているとしています。

 また、社民党と立憲民主党は米軍基地存置自体に直接触れてはいないものの、比較的否定的な立場をとっています。特に社民党は共産党と同じく事件・事故によって沖縄県民の命が脅かされている上、環境破壊を引き起こしうるとしています。

  米軍基地の建設がなくなれば、沖縄県民の負担がこれ以上増えることはないという主張です。

辺野古移設について

▼普天間基地の辺野古移設に賛成(自民党、幸福実現党)

 普天間基地の辺野古移設は文字通り、現在普天間にある米海兵隊の航空施設を辺野古に移設する政策です。これの主なメリットは、全くの新基地の建設ではない点と安全性が向上する点です。

 辺野古移設とは米海兵隊キャンプ・シュワブを拡張し、海上に飛行場を建設する方針であるので、沖縄の米軍基地の数が増えるわけではありません。また、ここは最寄りの住宅地から1.5km、市街地からも10km以上離れているため、住宅密集地にある普天間よりも事件・事故や騒音公害などの心配が軽減されます。県外移設に対しては、普天間基地が米海兵隊の一施設であることから、物理的に遠すぎる場所に置くことはそもそも不可能だとしています。

▼普天間基地の辺野古移設を見直すべきである(立憲民主党)

 対して立憲民主党はこの問題をゼロベースで見直すとしています。この政策が実現すれば、沖縄県民の民意を反映させ、且つ日米での合意も可能な解決策を模索することになります。

 辺野古移設に賛成か反対かという議論に対し、別の新たな道筋を示すことになるという見方がある一方で,結局は反対ではないのかという見方もあります。

 

▼普天間の辺野古移設に明確に反対,普天間基地も返還(日本共産党、社民党) 

 共産党と社民党は、新基地の建設を断念し、普天間基地の全返還を掲げています。普天間基地はその立地から世界で最も危険な基地と称されることもあります。上記の米軍ヘリコプターの墜落事故も普天間で起こったものです。このような事件・事故、騒音公害などが辺野古移設によって解決される保証はありません。それのみならず、辺野古はジュゴンの生息域だとされており、環境破壊が進むとの主張もあります。

  沖縄世論でも64%が辺野古移設に反対しているとの結果が出ており(2017年度)、翁長県知事の当選と合わせて沖縄世論に最も寄り添う政策となっています。


▼基地移設について言及せず(希望の党,公明党,日本維新の会,日本のこころ)

 今回,希望の党は,「基地負担軽減など地位協定の見直しを求める」と公約に掲げていますが,普天間基地の辺野古移設については言及していません。また,日本維新の会も「国の約束した『5年以内の普天間飛行場の閉鎖状態』を実現し、普天間基地の固定化を避けるためにも、日米が沖縄と真摯に対話を重ね、日米で合意可能な新たな基地負担軽減プランを示す」としているものの,辺野古移設への言及はありませんでした(過去には党として辺野古移設を掲げていたこともあり,その態度は不明確です)。公明党と日本のこころは米軍基地存置と辺野古移設について、どちらにも言及をしていません。

まとめ

この問題には、多くの要因が絡まっています。それに伴い情報量も多くなるため、感情的な部分を抜きにした上での判断が難しくなっています。なぜ普天間の移設が決定されたのか、移設と新基地建設は何が違うのか。冷静に状況を理解した上で判断するために、整理された情報の上での議論を望みたいですね。

参考資料

池上彰(2016)「日米地位協定 何を約束?」<https://mainichi.jp/articles/20160602/org/00m/100/008000c>2017年10月15日閲覧

久保卓也(1972)「日米安保条約を見直す」<http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/JPSC/19720600.O1J.html>2017年10月15日閲覧

GLOBAL NOTE(2017)「世界の軍事費 国別ランキング・推移」<https://www.globalnote.jp/post-3871.html>2017年10月16日閲覧

この記事は全党の公約を参考に執筆しました。公約へのリンクはこちら

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